将 -潜在的な波動をもつ格闘の天才-

バリバリ伝説や頭文字D、MFゴーストなどの作者・しげの秀一先生いえば、レースや走り屋漫画のイメージが強いですが、格闘漫画を描いていたことがありました。

超能力バトル漫画といったほうが正確でしょうか。

 

1990年代の週刊少年マガジンで連載されていた漫画です。

調べてみると90年代の週刊少年マガジンにはすごい名作がそろっているのですね。

しかし、個人的には将も埋もれた名作と思えるほどおススメです。

漫画探索部としては取り上げないわけにはいかない漫画です。

 

あらすじ

 

人類の歴史を終わらせようと企む過激な国際的戦闘集団。

目的は人類滅亡後の大地に理想社会を建設すること。

闇の組織から派遣された転校生、結城は平和だった高校を暴力で支配しようとする。

将の幼なじみの東はこれを防ごうとするが結城の圧倒的な力の前になすすべもなく倒れてしまう。

将は結城の手下を撃退するものの、不気味な力をもつ結城グループに狙われることとなる。

そして背後に見え隠れする闇の組織の暗躍。

能力に目覚めた将の闘いが始まる。

 

キャラクター

 

尾崎 将

 

本作の主人公。5年前まで空手をやっていたが、現在はバイクに興味をもつ普通の高校生。

ある朝、不気味な雰囲気をもって転校してきた結城の登場によって組織同士の争いに巻き込まれていく。

 

片桐 志織

 

将と同じ高校に通う蘭の妹。将の能力の片鱗を見抜き、能力の存在を教える。

自身も剣術ベースの能力者である。

密かに志織に憧れている男子高生が多い。

 

片桐 蘭

 

志織の兄で超一流の能力者。響々木側の能力者の中でもトップレベルの戦闘力をもつ。

死神の蘭と呼ばれている。志織と同じ剣術ベースの能力者。

 

結城

 

平和だった朝霧高校に転校してきた不良を装った闇の組織のエージェント。

作中での詳しい描写はないが、響々木の娘や蘭の妹がいる高校の調査をしにきたものと思われる。

 

東 秀樹

 

将の幼なじみで空手をやっていたころのライバル。

8人KOの異名を持つ。東が校内の不良を抑えることによって平和が保たれていた。

 

コードネーム「仙人」

 

二人組のエージェント。

能力者つぶしのプロと呼ばれており、この二人と互角に戦える力使いは世界中どこにもいないと言われている。

その力は謎につつまれている。

 

力(パワー)とは

 

作中では、「力」「能力」「気」「波動(ウェーブ)」と呼ばれている。

攻撃時、防御時に力を放出し、攻撃力を数倍に増加、ダメージを数分の一に軽減することができる。

また、跳躍力、スピードにも影響し、常人には考えられないような動きが可能となる。

 

例えば、木刀に力を乗せれば日本刀や太い鉄棒をも両断することができる。

また、力を持たないものには体重の乗っていない軽い蹴りにみえても、受けると腕が折れてしまうほど重い。

その為、どんなに格闘技に熟達した者でも力を使いこなすものに勝つことはできない。

半面、体力と同じように無限に使えるものではなく、消耗していくものである。

 

将 感想

 

序盤は普通の不良漫画のような展開です。

敵が出現してなんとか倒し、より強い敵がでて苦戦しつつも闘いの中で成長し・・・というような少年漫画の王道をいきます。

安心してよんでいられるし、将の闘いぶりにスッキリさせてくれるいい展開です。

 

結城と闘い、能力に目覚めてから昔の漫画の王道的敵キャラの四天王が登場したりとさらに面白くなってきます。

序盤では力は自分の内部でのみ働くもので、自分を強化するようなイメージですが、中盤から終盤にかけて変わっていきます。

四天王 対 味方の能力者の闘いでは味方の拳を敵が避け、そこから雷のような能力のイメージが発生し、敵の頬を切り裂く場面があります。

また、違う場面では自分の義手を離れたところから力で操る場面もあり、能力が力の強化のみではない可能性をみせていきます。

 

一方、序盤から人並み外れた格闘センスをもつ将ですが、終盤ではある意味スーパーサイヤ人のようなチートクラスの能力に成長し、仙人と互角かそれ以上の戦闘力を発揮します。

しかし、弱点があり、そこを突く仙人でしたがさらに仙人の予想を超える力を見せる・・・、と熱い展開。

これには「そこからかっ」と声がでるほど。

 

好みは分かれると思いますが、不良漫画、王道バトル漫画などが好きな人は面白いと思える漫画ではないかと思います。

少年のころのワクワク感を思い出せますよ。

 

 

残念ながらラストはすごくいいところで打ち切りのような感じで終わってしまいます。

仙人の詳細な能力は判明せず、二人の四天王は登場しません。

味方の組織の九鬼や響々木についても謎のままです。

また、あの光る物体は一体なんなのか、仙人が言っていた「あのお方」とは誰なのか等、気になることが山のようにあります。

 

個人的にはなぜ打ち切りになったのかわからないレベルの面白さなのですが、連載当時の1990年代には人気がなかったのでしょうか・・・。

 

でも昔の連載の続きや新作が始まることもある昨今、いつか続きが見れないものかと希望は捨てないでおきます。

ラストは第一部 完 となっていることだし・・・。

ホントお願いします。ホントに。

コミックス情報

作者:しげの 秀一 様

全3巻 完結 (第一部完)

1巻:1992年6月~

コミックスリンク

作者:しげの秀一様 出版社: 講談社 (1992/6/17)
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