超龍戦記ザウロスナイト -逆異世界転生ファンタジー-

「ふたりエッチ」の克・亜樹さんの作品「超龍戦記ザウロスナイト」の感想です。

1990年代初頭の漫画で、異世界転生ものの逆パターンといったらいいのでしょうか。

 

20年以上も前のファンタジー作品ですが、少年漫画の王道をいく内容でとても面白いです。

知らない、読んだことがないという人がいましたら、ぜひ一度読んで見て欲しいです。

 

以下から作品の紹介をしていきます。

作者:克・亜樹様 出版社: 小学館 (1992/6/18)

超龍戦記ザウロスナイト の内容

 

15歳の誕生日に異世界からの来訪者「シャロン」に連れられ、もう一つの宇宙にある世界「ジャン・グリア」に来てしまった少年・大林照人。

モンスターや亜人が闊歩する異世界で、自身が伝説の救世主「超龍王」の転生体であることを聞かされる。

ガリューサ一族が支配する戦乱の世で平和を願う人々は偉大な救世主の復活を待ち望んでいた。

 

超龍王は「黄金の超龍」に出会って初めて超龍王になるという。

三人の超龍騎士に守られ、超龍王伝説に導かれるままに照人の旅が始まる。

超龍戦記ザウロスナイト キャラクター

 

大林照人 黄金の超龍:ゾライザ

伝説の救世主「超龍王」の生まれ変わり。

わけもわからぬまま異世界に連れてこられたため、最初は自身が超龍王の生まれ変わりであることを否定していた。

しかし、自分を守るために犠牲になった人や悲しむ人々と接するうちに超龍王としての宿命を受け入れ、人々を守りたいと願うようになる。

 

超龍騎士

シャロン 空の超龍:テラ

超龍王の転生体を探しに地球までやってきた超龍騎士の一人。

剣術が得意で超龍騎士三人の中で唯一の真の超龍騎士の血を継ぐ者。

本作のヒロインの一人。

 

ダリル 地の超龍:ケラ

男勝りなパワーキャラの超龍騎士の一人。

鉄球と斧が鎖で繋がった武器を使う。

序盤は照人に対して畏まった態度を見せるが、すぐにくだけた調子をみせていく。

 

サイラ 海の超龍:シオ

クールで美人な超龍騎士のリーダー的存在。

槍術が得意であり、冷静な判断力で一行を助ける。

超龍騎士の使命は超龍王を守ることであるという考えに一貫している。

 

ガリューサ一族

第一皇子 ガリューサ

本拠地を炎の都キーラにおくガリューサ一族の長。

黄金の超龍を我が物とするため暗躍する。

黄金の超龍を欲する理由は強さへの渇望のみではないようだが・・・。

 

第二皇子 グァルム

死のラーバ団を率いて数々の町や都市を焼き払い占領している。

超龍騎士3人がかりで互角というくらい自身の戦闘力も高く、炎をつかった攻撃を得意とする。

ガリューサと違い、大陸を支配することのみを考えている。

 

第三皇子 メルヴェム

巨大な蛙の亜人。

ガリューサ一族の占領地で軍事拠点である小都市「ハイレンザルク」を治めている。

女好きであり、地区ごとに若い娘を捧げさせている。

念術を拡散させ、口から溶解液をはく特異体質を持つ。

 

氷の国ラルド

アルパティ

照人の転生前の超龍王「バウナロッツェ」の恋人。

氷の国ラルドの王女であり、妹のチコによく似た外見をしている。

照人にガリューサ一族と戦ってはいけないと助言をするが・・・。

 

地球

大林チコ

照人の妹。

兄を慕っているため、異世界に照人を連れ去ったシャロンに敵意を見せるが事情を知ったあと和解する。

また、ジャン・グリアの戦いにおける重要な役割をもっている。

超龍戦記ザウロスナイト 感想

 

現在のなろう系をはじめとする異世界転生ものでは、現実世界の人が亡くなって異世界に転生することが多いかと思います。

また、異世界転移ものも同様に現実世界から異世界へ転移することが多いです。

 

ここで、異世界転生の概要をwikipediaから紹介します。

物語の類型としての異界転移譚は古事記の時代からみられるが、欧米ファンタジーの影響を受けた異世界召喚ものの嚆矢は高千穂遙『異世界の勇士』(1979年)とみられている

今日のジャンルの広がりの発端は、個人サイトでオンライン小説として連載され、後に書籍化やアニメ化がされた川原礫『ソードアート・オンライン』(2009年)のヒットであると言われているこの作品のヒットの流れに続く形で、異世界を題材にした作品が急増する。小説投稿サイト「小説家になろう」には異世界ものの作品が多数投稿され、そこから書籍化・アニメ化される作品が増えていった。

出典:Wikipedia

また、異世界転生と異世界転移の定義は

小説家になろうでは、「異世界転生」と「異世界転移」を以下のように定義している。

異世界転生は、一度死亡し、別の人物として転生すること。当てはまるものに、『無職転生 - 異世界行ったら本気だす -』『私、能力は平均値でって言ったよね!』などがある。前者は転生直後から前世の記憶と意識があるのに対し、後者は成長してから前世のことを思い出すと言った違いも見られる。

異世界転移は、何らかの形で異世界への移動を果たすこと。当てはまるものとして、ふとした拍子に突然異世界に移動してしまう『Re:ゼロから始める異世界生活』などがある。『異世界食堂』や『異世界居酒屋「のぶ」』など、何らかの形で現実世界と異世界が繋がっている設定の作品も存在する。

その他、『この素晴らしい世界に祝福を!』や『異世界はスマートフォンとともに。』など、現実世界で一度死亡しながらも、人物としての同一性を保ったまま異世界に移動するという作品も存在する

また、『ハロルド・シェイ』シリーズや『遥かなる異郷ガーディアン』のように、現界から人為的な方法(三段論法や機械的に)で異世界へ転移する作品もある。

出典:Wikipedia

このようになっています。

さて、冒頭で超龍戦記ザウロスナイトは「異世界転生」ものの逆パターンと書きました。

本作の主人公・照人は異世界である(正確には別の宇宙)「ジャン・グリア」の「超龍王」が現実世界に転生したものとなっています。

 

近年の作品でいうと、「はたらく魔王さま!」や「テルマエ・ロマエ」が逆パターンといえるでしょうか。

転生ではなく、転移ものですが。

また、なろう系で調べると現在では逆パターンの作品も多くあるようです。

 

超龍戦記ザウロスナイトはこれだけでは終わらないのです。

逆異世界転生ものともいえる本作ですが、現実世界に転生した照人がさらに異世界に転移する他に類を見ないであろう作品となっています。

あるのかもしれませんが・・・。

少年漫画の王道

ジャン・グリアは想像するファンタジーの世界そのままのイメージです。

剣と魔法(のようなものを亜人のみが使う。人間は基本的につかえない。)の世界ですが、大砲のようなものはあります。

 

そんなファンタジー世界に放り出された主人公の照人は、伝説の救世主「超龍王」の生まれ変わりとはいえ現実世界では普通の高校生です。

転移後すぐは超龍騎士3人に守られるだけでなにもできません。

 

しかし、旅を共にしていくうちにジャン・グリアの人々を守りたいと願うようになります。

序盤は黄金の超龍探しの旅となりますが、照人は窮地に陥っている人を見捨てられません。

この頃から英雄としての資質を見せていきます。

超龍騎士である3人が主にバトルを担当する時期です。

 

照人が黄金の超龍を見つけ、超龍王となってからは照人の見せ場が増えていきます。

超龍騎士たちを守る立場になっていくのです。

その展開は少年漫画の王道を行くもので、次々に現れる強敵、追い詰められて新たな技を覚えます。

そしてあっさりしたものですが修行パートもあります。

さらに、強大な敵と戦うために敵だったものと手を組む展開もあります。

王道ですね。

超龍とは

200年前の大戦でほぼ死滅してしまったと言われている恐竜のような生きもののこと。

現在では、超龍騎士3人の超龍「テラ・ケラ・シオ」の3体と、その親である「ナダ」、そして黄金の超龍「ゾライザ」のみの生息が確認されています。

 

超龍の特徴として、甲冑擬態化(アーマーチェインジ)があります。

これは超龍が、パートナーとなる超龍騎士が装着できる鎧のようになるというものです。

これを超龍甲冑(ザウロスアーマー)と呼びます。

ちょうど聖闘士星矢の聖衣(クロス)のようなものです。

 

この超龍甲冑を纏うことにより、超龍騎士(ザウロスナイト)となることができるのです。

超龍甲冑には種類があり、防寒にも優れる全身装甲タイプ、服の下に装着できる密着タイプの超龍強化服などがあります。

 

また、超龍騎士は超龍甲冑を装着することによりスピードや瞬発力があがるばかりではなく、念術(マインド)と呼ばれるエネルギー波のようなものを出すことができます。

作中ではサイラのみが使う霧を発生させる念術・霧消失(フォッグバリア)というバリエーションもあります。

超龍甲冑は加えられた衝撃が直接装着者のダメージになるという弱点がありますが、超龍がダメージを感じなければ装着者のダメージになることはありません。

 

そして、伝説の救世主と言われる超龍王のみが使える必殺技も存在します。

念術波光砲(マインドブレスト):超龍王のみが使える胸部装甲(黄金の超龍の目にあたる)から照射する念術

超龍漸光剣(ザウロス・メガブレイド):マインドソードと言われる念術を剣状にしたもの。

念術光星拳(マインド・メガナム):拳に念術をためて破壊力を上げる。

 

基本的に人間は超龍の力を借りなければ非常にか弱い存在となっています。

強大な敵

作品の冒頭では一度異世界である「ジャン・グリア」へ来ると現実世界である地球に戻ることはできない、とされています。

しかし、200年前の大戦の敵である異形なるもの「銀魔王ギルダンテ」を封じるためにつかったジュラノイドという水晶は時空を歪めることができるため、これを使えば現実世界へもいくことができるのです。

 

ジャン・グリアで1年以上を過ごした照人が現実世界に戻ると、現実では1日しかたっていない状態でした。

このような特殊な効果があるジュラノイドでギルダンテを時空の狭間に封じることができるのです。

しかし、ジャン・グリア側に存在するジュラノイドのみではギルダンテを完全に封じるには力が足りません。

そこで、現実世界に不確定で発生するジュラノイドを探しに現実世界へ戻る必要がありました。

 

現実世界に発生するジュラノイドの場所は転生前の超龍王「バウナロッツェ」のみが知るのです。

「ジュラノイドを2つ集めてギルダンテを時空の狭間に封じる」

それがギルダンテを倒す唯一の方法なのです。

 

まとめ

現在の異世界転生ものが好きな人や、ファンタジー作品が好きな人におススメします。

昔の作品ですが、現在でも通じる面白さがあり楽しめると思います。

 

主人公の照人の成長や、バトルシーンなども見どころです。

また、男性読者には超龍騎士の女性が、女性読者にはガリューサが魅力的に映るでしょう。

そして、照人は前世での恋人アルパティと現世でずっと一緒に戦い抜いたシャノンどちらを選んだのか。

また、銀魔王との戦いの決着はどうなったのか。

興味を持った方は作品を読んで確かめてください。

超龍戦記ザウロスナイト コミックス

 

作者:克・亜樹様

全6巻 完結

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作者:克・亜樹様 出版社: 小学館 (1992/6/18)
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