日本制作のゾンビコンテンツの中でも抜群の知名度を誇る「バイオハザード」シリーズの公式漫画版第1作目です。
本作の時系列としては、バイオハザード6の直前のストーリーで、登場するB.O.Wは6のプロトタイプ的なものとなっています。
公式の漫画だけあり、クリスをはじめとするゲームに登場するキャラクターも登場します。
ゲームとは少し趣が異なる漫画版バイオハザードの面白さとはどういったものなのか。
見ていきたいと思います。
バイオハザード -マルハワデザイア- 内容
アジア最大にして最高の名門校マルハワ学園。
人里から離れ、陸の孤島と化す学園内で一人の女生徒がゾンビとなって発見される。
事態を収束するためマルハワ学園理事長のマザー・グラシアは細菌学専攻の教授ダグへ調査を依頼する。
ダグと助手のリッキーは調査を進めていくが、感染源の特定には至らず感染者が増えていってしまう。
そして、次第に拡大していく惨劇に巻き込まれる二人をクリスたちB.S.A.Aのメンバーが追うのだった。
バイオハザード -マルハワデザイア- キャラクター
ベネット学園所属
リッキー・トザワ
ベネット学園の生徒で本作の主人公。
叔父のダグにマルハワ学園の調査に助手としてついて来るよう頼まれ同行する。
他バイオハザードシリーズの主人公たちと違い、警官や特殊部隊などの所属ではない一般人。
見た目は悪くないが、20歳まで彼女ができたことがない。
マルハワ学園へ到着した日の夜、部屋に侵入したゾンビ化した女生徒に噛まれてしまう。
ダグ・ライト
ベネット学園理工学部教授。
専攻は細菌学でB.S.A.Aのアドバイザーを務める。
元恋人であるマルハワ学園の理事長のグラシアより、学園内で生物兵器によるものの可能性がある不可解な現象の調査を依頼される。
ゾンビの発生を認めたダグは、ウィルスの発生源を特定するため調査を開始する。
同時に事態の収束のためB.S.A.Aに連絡を試みようとするが、学園の名誉のため他言無用を強制するグラシアにより対処が遅れてしまうことになる。
マルハワ学園所属
ビンディ・ベルガーラ
マルハワ学園生徒会長。
学園内では数少ないグラシアを妄信せず正しくあろうとする女生徒。
事件を隠蔽しようとするグラシアに事実を公表し然るべき対策をとるよう進言するが、バイオテロを捏造し学園を騒がせたとして停学処分にされてしまう。
マザー・グラシア
マルハワ学園理事長。
学園内の絶大な権力者であるグラシアに妄信的に付き従う生徒は多い。
父から譲り受けた名門校としてのマルハワ学園の名を傷つけぬよう事件の隠蔽を謀る。
生物災害を表面化させないための判断が後のパンデミックの原因となってしまう。
B.S.A.A所属
クリス・レッドフィールド
B.S.A.A北米支部 アルファチーム隊長
元ラクーン市警 特殊部隊S.T.A.R.S隊員でラクーン事件の数少ない生き残り。
有事に備えてB.S.A.Aに行先を告げる約束になっていたダグからのメッセージがないことから、マルハワ学園へ向かうことになる。
ピアーズ・ニヴァンス
バイオハザード6にも登場する北米支部アルファチームの副隊長ポジションの人物。
ライフルなどによる狙撃に優れる天才スナイパー。
クリス、メラと共にパンデミック状態のマルハワ学園へと身を投じていく。
メラ・ビジ
B.S.A.A極東支部所属
元は技術研究局所属の天才科学者。
両親をラクーン事件で失い、バイオテロに対する復讐のためB.O.Wの効率的な殺傷法を研究していた。
研究にメドがついたため、特殊作戦部隊へ異動。
1年で極東支部のナンバー1と呼ばれるほどになる。
バイオハザード -マルハワデザイア- 感想
基本的に、ゾンビだらけの状態で始まることが多い「バイオハザード」シリーズには珍しく、事件の発端から描かれています。
とはいえ、クリス視点でストーリーを見るといつも通りゾンビだらけの状態から始まるわけですが。
その他、学園内での確執なども描かれており、見ごたえがあります。
登場するクリーチャーはゾンビが中心で、ハンターやケルベロスはマルハワ学園には登場しません。
ゾンビの恐怖に特化した作りです。
バイオハザード -マルハワデザイア- 魅力とポイント
ポイント1
バイオハザード公式漫画
公式の漫画ということでバイオハザード6とオフィシャルリンクしています。
その為、バイオハザードの設定をそのまま漫画で読める楽しさがあります。
もっと昔からあってもよさそうなものですが、本作が公式漫画第一作目となるようです。
序盤は徐々に広がる感染に恐怖するホラー要素が強く、後半になるにつれてパニック要素が強くなっていきます。
B.S.A.Aのメンバーが到着してからはアクションの要素も加わり、一作品で3つのジャンルが鑑賞できる作品となっていると感じました。
ポイント2
感染源・経路
ダグ教授は細菌学専攻のB.S.A.Aのアドバイザーのため、Tウィルスの知識があります。
そのため、ゾンビ化した女生徒を発見した時点で感染源として、Tウィルスを媒介する動物の存在を疑います。
Tウィルスは噛まれることで感染が広がる直接感染です。
バイオハザード6で登場するCウィルスはガス状のウィルスを吸い込んで空気感染、または直接ウィルスを投与すると感染するのですが、ダグが調査している段階ではCウィルスの存在を知る由もありません。
そのために感染源の調査が難航してしまいます。
しかし、地下制御室内でのゾンビ発生調査で容疑者が目撃され物語が進展します。
フードを被った女がガス状の物質を散布し、仲間がゾンビ化したとの証言があったのです。
その後学園祭でも同様にフードの女による被害があり、事態は手遅れとなってしまいます。
ポイント3
走るゾンビ
本作のゾンビは「バイオハザード6」に準じ、Cウィルスに感染しているものと考えらるため動きは早く、武器を使うこともあります。
旧作のゾンビは動きは鈍いですが、ジットリとしたジャパニーズホラー的な恐怖があるのに対し、走るゾンビはホラーというよりパニックの要素が強いです。
私としては、どちらにもそれぞれの良さがあって好きなのですが人によっては好みが分かれるかもしれません。
大量の走るゾンビに囲まれたときの絶望感は相当なもので、正にどうしようもない状況といえます。
さらにガスを吸ったゾンビの他に、直接Cウィルスを投与したジュアヴォのようなクリーチャーも登場します。
まとめ
本作は陸の孤島となっている学園内という限定された空間でバイオハザード6をやっている感覚でした。
ゲームのバイオハザードシリーズが好きな人はもちろん、映画のバイオハザードやドーン・オブ・ザ・デッド、ウォーキングデッドなどゾンビものが好きな人におススメします。
このまま旧作のバイオハザードも漫画化して欲しいですね。
ゾンビものとしての流れも基本をおさえていると思います。
しかし、気になった点もいくつかあります。
まず第一にダグが行先をB.S.A.Aに伝えていないこと。
これさえしっかりしていれば、被害はでてしまうにしても早期に解決できたのではないかと思います。
第二にリッキーを連れてきたこと。
普通に考えて、生物災害が起こっているかもしれない場所に、一般人である学生の甥をつれてくるかなぁと少し不自然さを感じました。
しかし、これはリッキーの活躍がなければ終盤のクリスの命が危なかったかもしれないので結果としてはよかったのだと思いますが。
このように気になる点はありますが、バイオハザードの漫画としては満足です。
シリーズのファンで読んだことがない人は読んでみて欲しい作品です。
バイオハザード -マルハワデザイア- コミックス
全5巻 完結
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