発症区 -突然発症する能力-

SF

異能力を発症してしまったもの同士の能力バトル漫画「発症区」の感想です。

 

作者のいとまんさんはアフタヌーン四季賞準入選をしているとのことです。

※アフタヌーン四季賞とは月刊アフタヌーン主催の漫画新人賞のこと。

 

歴代の四季賞の受賞者を見ると、現在でも一線で活躍している作者様が多くレベルの高い新人賞だということがわかります。

いとまんさんの名前がありませんが、受賞時と作者名を変えているのでしょうね。

2012年秋と2013年秋の準入選とのことで、該当者は1名しかいないので特定は可能です。

 

作者:いとまん様 出版社: 講談社 (2016/8/23)

発症区 の内容

 

高熱と全身の激痛で1週間寝たきりになり、回復したときには異能力が備わっている。

全国で発生しているこのような事態に国は異能力を身に着けたものを「発症者」と呼び、箝口令を敷いていた。

 

ある日能力に目覚めた安田は軽はずみに能力を使い、発症者犯罪対策部(通称:発対)に狙われる。

偶然通りがかった女性・暮井に助けられた安田は、わけもわからないまま捕られられている他の発症者の情報をつかむため発対支部へ乗り込むことになってしまう。

 

支部内で裏切りにあい重症をおってしまった安田は発対に捕えられ、暮井たちがテロリストだと知る。

発対は安田の高い能力を買い、恩赦と引き換えに発対で働くことを提案するのだった。

発症区 主要キャラクター

 

安田敦

能力:念動力

射程は3メートル程度。

それぞれの指先から触手が伸びているイメージの能力。

触れたものを感知できるため、センサーとしても使える。

また、触れた瞬間に敵の攻撃などを反らすことも可能。

人を拘束できるほどの強い力である。

 

暮井亜紀

能力:木偶生成

様々な大きさの木偶を生成できる。

複数の木偶を生成し、銃を撃たせることもできる。

空を飛び、ヘリを撃墜することも可能。

捕獲や抹殺は困難を極める。

攻守機動力と三拍子揃った発症者。

 

発症者犯罪対策部 (通称:発対)

染谷彩

能力:爆弾生成 バリア生成

エネルギー波を投げつけるイメージの爆弾の能力とあらゆる攻撃を防ぐことができるバリア生成の能力を持つ。

能力は1度使うと6時間は他の能力に切り替えができない。

他の発症者と違い、複数の能力を使う秘密は作中で語られる。

 

テロリスト

木常

能力:転送

通称 送り屋

空間にひずみを作り、通過した人や物を任意の場所に転送させることができる。

ただし、自分自身を転送することはできない。

侵入の手引き、陽動などを担当する。

発対では最重要ターゲットとされている。

 

迫田仁

能力:触手操作

二種類の触手操作を使い分ける。

オートモード:攻撃範囲は周囲1メートル未満。

接近する異物を自動迎撃する。銃弾や炎、爆風も防げる。

一定以上の速度で動くと解除される。

マニュアルモード:形状自在。散弾状の棘を飛ばしたり、刃を長く伸ばして斬撃、盾のような形状にして防御も可能。

 

発症区 の感想

 

能力を身に着けたもの同士の戦いがメインだとは思いますが、その下地となっている部分が面白いと思いました。

以下から特徴を挙げていきます。

発症者とは

突然の高熱に全身の激痛という症状が一週間続き、回復後に能力が備わる。

これは発症する者に共通する症状のようです。

 

当然、発症する能力は人ぞれぞれ違っており、兵器レベルのものから宴会芸レベルのものまで様々です。

本作の能力は物理的なものが多いです。

 

一例として

髪を自在に操作する
発火
体から棘状のものを生やす
体を金属のように硬くする
傷を治す

このようなものがあります。

木常の転送のような時空を捻じ曲げる能力はレア能力です。

長距離の転送能力は世界的に見ても稀有な存在で国内では木常のみが確認されています。

 

一方、ハズレの能力として

暗がりで目が光る
指先にブラシ状の毛を生やす

このような能力があります。

世界的にみると、発症する能力の半数以上はハズレ能力になってしまうとのこと。

 

また、発症した能力は無限に使い続けられるものではなく、能力を使いすぎると初期症状として頭痛があります。

そして、頭痛を押して能力を使い続けると気絶してしまう弱点があります。

その為、手に余る強力な発症者の対処は完全包囲して、能力を使わせ頭痛の症状がでるのを待つのが定石です。

 

しかし、暮井は飛んで包囲を抜けられるため捕えることが困難だとされています。

過去に2度行われた暮井確保の作戦は大規模な戦力を投入したにもかかわらず、結果は惨憺たるもので3機の攻撃ヘリが撃墜されています。

 

このような能力がなぜ発現してしまうのかについては、作中では語られていません。

なぜ発症者の存在を隠すのか

ハズレ能力とは逆に、大当たり能力もあります。

致死率100%の殺人ウィルスを生みだす
核に似た爆発を起こす
都市レベルを氷漬けにする

このような国家存続の危機と呼べるレベルの発症者が世界中で発生しています。

 

本作では千葉県の大半が封鎖されていますが、これは上記の殺人ウィルスを生み出す能力者によるものです。

このとき千葉県民の半数が死亡しています。(あくまで作品内でのことです。)

 

ある日隣人が突然大量破壊兵器に変わるかもしれない。

もし、このことに大衆が気づけば疑心暗鬼で世界の形が一変してしまうと考えた世界各国は発症者の存在を隠すことにしたのです。

 

その為の手段として、発症者を確認し次第箝口令を敷き、発症者は能力抑制剤の常用が義務となります。

また、能力を使って罪を犯したものは発症者犯罪専門の収容所で一生過ごすことになります。

 

安田のように、強力な能力をもった発症者は発対にスカウトすることもあるようです。

テロリストの目的とは

能力を使って撮影した動画を上げていた安田に発対の捜査の手が迫ります。

危ないところを暮井に救われた安田は、匿ってもらいながら一緒に暮らすことになりますが・・・。

 

ある夜、謎の男が訪ねてきてから怪しい雲行きになっていきます。

他の発症者たちと、なし崩し的に発対に乗り込むことになってしまうのです。

 

発対に乗り込む目的は以下の通りです。

  • 発対につかまった仲間たちがどこに収容されているのかを調べる。
  • 発対は発症者で人体実験を行っている。苦しんでいる同胞を救い出す。

という計画だと聞かされます。

 

しかし、ほどなくして嘘の目的と判明します。

本当の目的は発対支部の保管室にあるカプセル状の物体。

これこそテロリストの真の目的であり、発症区の物語の核心に迫り国を揺るがす重要なものなのです。

まとめ

能力バトル漫画やアクション漫画が好きな人におススメします。

グロ表現がありますので、苦手な人は注意が必要です。

エロ描写はまったくないといっていいレベルです。

 

能力を使った戦いがメインの本作ですが、銃なども有効であるところもポイントです。

銃などをより活用するために能力を使っている描写もあり、能力に頼りきりではなく通常兵器がないがしろにされていません。

 

絵柄や画力は好みが分かれるところだと思います。

私はあまり画力は重視しないので気になりませんが、画力重視の人は試し読みしてから本格的に読んだほうがいいかもしれません。

 

話の流れなどは引き込まれるものがあり、もはや使い古されたといっていい能力バトルものを面白く読ませるものがありました。

ファーストステージの中ボス的な敵を倒して終わってしまったことが悔やまれます。

 

また、コミックスの描きおろしおまけ漫画にある日常的なシーンも面白いです。

いとまんさんが描く日常ものも読んで見たいですね。

 

発症区が気に入った人は、作者のいとまんさんのTwitterで公開されている「ドキュンサーガ」を読んで見るといいかもしれません。

よりグロくエロ表現もあります。

人によっては胸糞展開だと感じるかもしれませんので注意してください。

いとまん (@itoum)さんの最新ツイート。アフタヌーンで発症区(https://t.co/2pIFHvm1Et)とい…

発症区 コミックス

 

作者:いとまん 様

全3巻 完結

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作者:いとまん様 出版社: 講談社 (2016/8/23)
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