鳥葬のバベル -巨鳥に食い殺されたはずの人々が生き返る-

読むとぐいぐい引き込まれる漫画「鳥葬のバベル」の感想です。

こういう雰囲気の漫画、好きです。

 

読み始めると一気に最後まで読んでしまう魅力があります。

その魅力を見ていきましょう。

 

作者:二宮志郎様 出版社: 講談社 (2017/1/23)

鳥葬のバベル 内容

 

20年前の事件で両親を失ったが、現在は平穏に生きる加瀬宗助。

ある日花火を見るため恩人の駿河の家へ向かったが、宅内で謎の巨鳥・サンダーバードに駿河が食い殺されている現場に鉢合わせてしまう。

 

駿河の娘・マリと共になんとか生き延びた宗助は駿河殺害の容疑で刑事に付きまとわれることになる。

宗助は全てを犠牲にしてもマリを守ることを決心するが、自身にかけられた呪いと残酷な真実をつきつけられる。

 

鳥葬のバベル メインキャラクター

 

加瀬宗助

20年前に両親を殺害された宗助は、当時施設のカウンセラーとして働いていた駿河に支えられながら育つ。

現在は友人の経営するリサイクルショップで働いている。

マリたちと打ち上げ花火を見る約束をしていた宗助は駿河宅で巨鳥・サンダーバードに纏わる事件に巻き込まれることになる。

 

駿河マリ

駿河に引き取られた少女。

花火の日の事件以来不思議な力を持つようになる。

その後、羽の生えた女に保護されるかのように失踪する。

 

駿河光

20年前の事件で両親を殺害された宗助を支える。

宗助にとっては恩人というべき人物。

サンダーバードの犠牲者。

 

警察関係者

黒田 

階級は警部補。

宗助を「東京都体の一部連続落下遺棄事件」の容疑者として追う。

しかし、事件を追ううちにオカルトめいた真実を知ることになる。

 

神田

麻薬探知犬より優れた嗅覚を持つ。

独自に事件を調査しており、真実に近づいた黒田たちに協力を申し出る。

20年前の宗助の両親殺害事件の犯人の友人である。

 

六車

黒田とコンビの女性警察官。

暴走しがちな黒田と違い、常識的な人物。

ポエマー。

 

???

サンダーバード

アメリカ先住民に伝わる伝説の巨鳥と言われるもの。

サンダーバードに食い殺された者は特殊な能力を持って生き返る。

どこから来たのか、なぜ食われたものが生き返るのか。

詳細不明。

 

羽の生えた女 (つぐみ)

宗助の働くリサイクルショップの向いのコンビニ店員。

節目節目に現れることから、向いのコンビニで働いているのも偶然ではないと考えられる。

 

鳥葬のバベル 感想

 

東京喰種のような雰囲気で冒頭から気になる謎がちりばめられており、続きが非常に気になる作品です。

序盤はサスペンス、ホラー要素濃く、後半になるにつれアクション性が高まります。

後半のアクション部分は能力バトルの色が濃くなり、そんな流れも東京喰種に近いと感じました。

 

寄生獣が好きな人にも合うかもしれませんね。

 

鳥葬のバベルの見どころとポイント

 

先ほど、序盤はサスペンス・ホラー要素が強いと書きました。

第一話目から気になる部分が数多くあります。

花火を見るためにマンションのベランダに出ていた駿河と娘のマリが唐突に巨鳥に襲われるシーン。

駿河が巨鳥に関することを知っている雰囲気を匂わせます。

駿河の言葉から、巨鳥は昔死んだと思われていたが実は生きていた、または復活したのだということが分かります。

そして恐らく、駿河の元に巨鳥が現れたのも偶然ではないのだろうな、との推測もできます。

 

また、忘れてはならないのが娘のマリの変化です。

宗助視点で見れば、生き延びたはずのマリの様子がおかしいのは明らかですが、宗助には知る由もありません。

目が赤く、大男を締め落とせるほどの怪力。

ただ事じゃありません。

のちに明らかになるのですが、一話の時点で決定的な一コマがあるので何故なのか理由の予想はできます。

一話目から謎が多くワクワクする展開だと思いました。

 

そこから、「東京都体の一部連続落下遺棄事件」につながります。

作中で黒田も言っていた、体の一部っていうのはどうにかならなかったのか、というのは自虐的で少し笑いました。

 

この事件の概要は空から体の一部が落ちてくるというもので、駿河の体の一部も見つかっています。

また、体の一部が落ちてくるときにサンダーバードが目撃されています。

そして、そのほかの犠牲者の身体の一部や衝撃的なものが見つかるのです・・・。

ここから、鳥葬から帰ってきた者たちが宗助を狙いはじめ、アクション性が高まっていきます。

 

感想の冒頭で能力バトルものと書きましたが、能力バトルをしつつもサスペンス・ホラー要素も忘れていない印象です。

徐々に明らかになっていく謎に反して、宗助自身の能力については謎が深まっていきます。

鳥葬から帰ってきたものは、宗助のことを天敵と呼び。

またある者はサンダーバードを倒せるのは不死身の宗助だと言う。

※正確にはサンダーバードを倒せるのはもう一人いるらしいのですが、ここはあえて伏せておきます。本編でお楽しみください。

 

不死身と言われた宗助ですが、不死身であっても無敵ではないのがポイントというか面白いところですよね。

あくまで比喩としてですが、ヴァンパイア的といいましょうか。

やりようによっては倒される弱点があります。

 

作中最強で無敵感がある主人公の漫画も楽しいですが、こういうのも別の魅力がありますね。

 

まとめ

 

主人公はあくまで宗助ですが、裏の主人公ともいうべき黒田の存在も私の中では大きいです。

目立たないですが、黒田がいなければうまくいかなかったでしょう。

表で一本、サンダーバードを中心と能力者との戦いを描いた宗助ルート。

裏でもう一本、やはりサンダーバードの関わる事件が中心ですが、警察内部の闘いを描いた黒田ルート。

 

正直もっと長く読みたかったです。

しかし、若干謎が残った部分はあるものの、概ねスッキリと終わっていると思います。

グロ表現がありますが、進撃の巨人や東京喰種が大丈夫なら読み進められるでしょう。

 

ラストは私が苦手なタイプです。悪い意味ではなく。

わかる人にはわかるかと思いますが、『Fate/stay night』のセイバーエンドや『Angel Beats!』のようなラストなのです。

ケリはついたものの、心が痛いといいますか、非常につらい気持ちになるんですよね・・・。

 

鳥葬のバベル コミックス

 

作者:二宮志郎 

全4巻 完結

 

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コミックス

作者:二宮志郎様 出版社: 講談社 (2017/1/23)
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