アニマルパニックものはお好きでしょうか。
私はすごく好きなジャンルで映画、漫画問わずたくさんの作品を見てきました。
もちろん現実で体験したくはありませんが、作品として鑑賞する分にはハラハラしたりドキドキしたりして面白いものですよね。
本作はタイトルからも分かる通り、虫のパニックモノです。
しかも巨大昆虫。
数センチのサイズでも苦手な人からすると恐怖の対象ですが、それが巨大化したらもうモンスターです。
「インセクツ」や「巨蟲列島」など他漫画でも巨大昆虫を取り扱った作品はあります。
しかし、それぞれ同じ題材を扱っているものの趣を異にしています。
BUGSは他作品よりアクション性をメインにしているように感じました。
BUGS バグス 捕食者たちの夏 あらすじ
原子炉施設に対する襲撃事件が発生した。
陸上自衛隊 特殊作戦群(SOG:Special Operations Group)に出動命令が下る。
山中に潜伏するテロリストを追跡する任務を受け、深い霧の中を進む自衛隊員たち。
村でテロリストの一部を捕捉し制圧に成功したのも束の間、巨大な影と遭遇する。
それは、想像したこともない「敵」、巨大化した昆虫だった。
メインキャラクター
特殊作戦群所属
伊吹亜蘭
第2班 班長 階級:三尉
特殊作戦群ただひとりの女性自衛官。極秘の海外任務の参加経験が2度あり、実践で人を撃ち殺したことがあると噂されている。
伊吹を訓練したデルタの教官曰く、「女に生まれたのが神さまのジョークで、日本に生まれたのが悪魔のジョーク」
自衛隊員としての身体能力、決断力、人心掌握術、交渉術など全てトップレベル。
桐山かおる
第2班所属 階級:三曹
特殊作戦群新入り。初任務で本作戦に参加する。
頼りなく見えるが、特殊作戦群という狭き門を潜り抜けただけあり優れた戦闘力をもつ。
序盤は新人らしく戸惑う場面も多いが、終盤へかけて隊員としての成長を遂げる。
野出賀村住人
村瀬周一郎
村の昆虫学者。
孫を人質にとられテロリストへハチを避けるフェロモンを提供してしまう。
巨大昆虫が闊歩する本作の世界ではキーパーソンとなる知識を有している。
村瀬れな
周一郎の孫であり、たった一人の家族。
祖父から昆虫について基本的な知識を教わっている。
テロリスト
ハエ頭の男
テロリストのリーダー。原子炉襲撃を行った。
なにもない村に拠点を置き、昆虫の知識もあることから村が本来の狙いではないかと推測できる。
国籍や正体は不明である。
昆虫頭の男たち
テロリストの配下。及び家族を人質にとられテロリストに協力する村人たち。
当初は村人たちは脅され命令に従っていた。
しかし次第に本気で蠅頭の男を崇拝し、助けにきたはずの自衛官に襲い掛かるようになる。
BUGS バグズ 捕食者たちの夏 感想
ジーザスや闇のイージスなどを手掛ける原作:七月鏡一様 作画:藤原芳秀様 のコンビの作品だけあって、銃撃や格闘などのアクション性が高く、まるでパニックアクション映画を見ているような感覚になります。
私はジーザスのシリーズがすごく好きで両先生のファンとして、この作品は作家買いしております。
まず先に、知らない人へ簡単に説明します。
劇画調の絵柄であるため拒否反応を示す人も一定数いるかと思います。
しかし、最初の一歩を踏み込むきっかけさえあれば、合う人にはとことん合うタイプの漫画です。
「ジョジョ」や「北斗の拳」も最初は絵が受け付けなかったけれど、読んだらハマった人、もしくは周りにそういった人はいないでしょうか。
私もそうでした。
前述の作品がそうだったように絵柄は慣れます。と言うより好きになってきます。
そしてモンスターパニックものが好きなら読んで損はしない作品でしょう。
陸上自衛隊 特殊作戦群
現実に存在します。
知っていましたか?
私は知りませんでした。
本作の他にも色々な作品に登場しています。
BUGS バグズ 捕食者たちの夏 ポイント
バグズのポイントをいくつか紹介します。
ポイント1
装備が限定されている。
テロリストの追跡捕捉が目的で山の中の探索のため、戦車や装甲機動車などがありません。
当然、巨大昆虫の出現は完全に想定外ですが、自動小銃をメインに手榴弾や拳銃などで戦うしかありません。
ポイント2
特殊部隊がメインの物語
映画や漫画内の特殊部隊って噛ませ役になることが多い印象はないですか?
本作では特殊部隊の強さを満喫できます。
現実では過酷な訓練を積んでいる特殊部隊に一般人が敵うはずがないので、リアルと言えます。
ポイント3
ザ・シンプル
特殊部隊VSテロリストがメインです。
テロリスト側が昆虫の習性を利用している構図となっています。
仲間内で意見が分かれて揉めたり裏切り者がでたりせず、対昆虫、対テロリストの戦闘に特化したストーリー展開です。
まとめ
コミックスの巻末のあとがきにこうあります。
「B級C級映画のようなモンスターパニックものをやってみたい。
いくらでも安っぽく作れてしまうドライブイン・シアター向けのアイデアを正攻法でやってみたい。」
正に、といった感じです。
パニックものでありそうな展開がいくつもあります。
例えばモンスター(本作で言えば巨大昆虫)との遭遇シーン。
はっきりと登場するわけではなく、霧の中で影だけ見えます。
「なんだ・・・今の?」
パニックものとしては定番です。
このような感じで最後まで本当に正攻法の展開が多いです。
登場する昆虫もメジャーで実際に見たことがあるものが多いです。
・・・
・・
・
ここで嫌な予感がした人もいるかと思いますが、安心してください。
巨大Gはでません。
これもあとがきからですが、読者からGだけは巨大化させないで欲しいとメールを貰ったとのことです。
ジョウジ、とは鳴かないでしょうが、やはり巨大Gは人間にとって畏怖の対象のようです。
巨大Gに喰われて死ぬなど最も避けたい死に方の一つですからね・・・。
もちろん私も普通サイズでも苦手です。
また、某グラップラーがイメージで作り出し、最強の父親にエフッエフッと笑われた昆虫や、火星探査の某艦長の手術ベースとなった昆虫なども登場します。
これらの巨大昆虫に人間がどう立ち向かうのか。
先ほど、アクション性がメインとなっていると書きました。
しかし力こそパワーといった脳筋展開ではなく、きちんと昆虫の習性を利用した戦いかたをして生き残る道を探します。
ラストシーンなど映画「ザ・グリード」ファンはニヤリとする展開です。
主人公ジョン・フィネガンの吹き替え版「お次はなんだ?」というセリフが思い浮かびました。
その他気になった点としては、なぜ昆虫が巨大化したのか。
テロリストと昆虫の関係などがありましたが、作品内で詳しい描写はありませんでした。
続編としてBUGS LANDという作品がありますが謎が判明するのか。
いずれ感想を投稿したいと思います。
BUGS バグズ 捕食者たちの夏 コミックス情報
原作:七月 鏡一 様
作画:藤原 芳秀 様
全3巻 完結
出版社:小学館
コミックスリンク